中小・ベンチャーのアプリ開発会社に依頼するメリット・費用を解説

2022年12月19日

昨今ではさまざまな企業が自社アプリの開発を検討していますが、社内にアプリ開発ができるエンジニアやプログラマーがいるケースは少ないため、アプリ開発会社に委託するケースも少なくありません。

この記事では、アプリ開発を依頼する際の選択肢の一つとして、中小・ベンチャーのアプリ開発会社に焦点を当てて、解説します。

外注先として中小アプリ開発会社を選ぶメリットとは?

中小アプリ開発会社やベンチャー企業は、必要以上の人員を割かないことでリーズナブルな開発費用を実現しています。さらに、EC・ゲーム・ニュース・業務用アプリなどのジャンルに特化するやり方でアプリを開発し、サービスの工夫やオフショア開発などによって開発コストを抑えています。

また、大手企業では発生してしまう販管費などのコストを大幅にカットできることや、他社とは違うオリジナリティあるサービスを提供している会社が多いのもポイントです。

さらに、中小アプリ開発会社やベンチャー企業にはチャレンジ精神旺盛な企業が多く、他には見ないデザインや機能を実装したいなどの要望を実現できる可能性が高いほか、大手企業に負けない優秀な技術者がいる場合があることもメリットの一つです。

中小アプリ開発会社を選ぶデメリットとは?

大手企業と比較した際、中小企業では開発が集中した際に技術者が不足してしまうことがあります。また、こうした人手不足から、委託先の中小企業からオフショアに開発を再委託しているケースもあるようです。このように、中小企業を選ぶデメリットとしては人手不足による質の低下や開発の遅延などがあげられます。

しかし、中小企業の全てがこのようなトラブルを引き起こしやすいわけではありません。中には特定のジャンルに特化して高い品質のアプリ開発を実現してくれるケースや、他のアプリ開発会社よりも低コストで素早い開発を実現している企業もあります。

中小企業を選ぶデメリットを抑えるためには、開発会社選びが重要となります。この点についてはのちほど詳しく解説します。

中小アプリ開発会社に依頼した場合の費用や開発期間は?

アプリ開発を依頼した際にかかる費用や開発期間は、搭載する機能によって変動します。

費用の見積もりは「作業人数×期間+固定費」の計算式で算出される、人月単価制が一般的です。

ちなみに、アプリをリリースする際にApp StoreやGoogle Playなどのアプリストアへ支払う登録費やサーバーの保守、メンテナンスやドメインの継続費用、開発に使用する機材代など人件費以外にかかる費用のことを「固定費」と言います。

また、アプリの開発期間は、簡単な検索ツールやショッピング系のアプリで約1カ月、平均して3カ月程度が目安です。ゲームや通話・メッセージのSNS系、位置情報系などのアプリ開発期間は最短でも半年、長いものだと1年以上の開発期間がかかることもあるため、依頼先の会社とよく話し合っておく必要があります。

ここからは、開発するアプリごとに費用の相場を紹介します。

  • ショッピング系 :100万円~300万円程度
  • マッチング系 :500万円~1,000万円程度
  • 管理ツール系 :50万円~300万円程度
  • ゲーム系 :300万円~1,000万円程度

※グラフィックや機能にこだわる場合は5,000万円以上かかるケースも 

  • カタログ、フリーペーパー系 :50万円~100万円程度
  • 通話、メッセージアプリ系  :100万円~500万程度
  • SNS位置情報系 :500万円~1,000万円程度
  • 金融系 :1億円~

※セキュリティ・免許の観点から、個人レベルでは開発不可

高度なセキュリティやデザイン・機能へのこだわりが必要なアプリは、数千万~数億円の費用がかかるケースも珍しくありません。

また、人月単価制の他に機能固定額制という、アプリで開発する機能ごとに報酬額を設定する方法もあります。例えば、自社製品の販売推進に役立つ「EC系アプリ」を開発する場合は「ユーザーデータ管理機能」や「決済システム機能」が必要です。その際に、管理機能を開発したら100万円、決済システムを開発したら50万円の報酬が発生する、といった形で報酬額を設定します。

人月単価制では、開発期間が長くなると比例して開発費がかかりますが、機能固定額制の場合は金額が固定されているため、アプリを通してデータを追加したり、機能を追加したりしない限り開発費に大きな変化はありません。機能固定額制でアプリを開発した場合、相場価格は以下の通りです。

  • メールアドレスを利用した「ログイン機能」  :20万円~40万円程度
  • SNSのアカウントを使う場合の「ログイン機能」:10~20万円程度
  • システム構築を含む「決済システム」     :30万円~50万円程度
  • ユーザーの「会員データ管理機能」      :50万円~100万円程度
  • アプリのデザイン              :10万円~100万円程度
  • データ利用                 :50万円~70万円程度
  • SNS連携などの「他社ツールの実装」     :5万円程度

続いて、依頼先企業の規模による費用感の違いについても見ていきましょう。

最初の章でも解説しましたが、アプリの開発を大手企業に依頼する場合、優秀なエンジニアやプログラマーにより安定的な開発が実現できますが、その分コストがかかります。

一方、中小企業やベンチャー企業への依頼の場合は、企業によって品質はまちまちですが、大手に比べるとコストを抑えることができます。特定の領域を得意とする企業も多いため、場合によっては大手よりも自社のニーズを反映した質の高いアプリを開発できるケースがあるかもしれません。

さらにコストを抑えようという場合は、フリーランスの開発者に依頼する方法もありますが、リソースが限られることで開発スピードが下がってしまうなど、別のデメリットが発生してしまします。

中小企業・ベンチャー企業への依頼は、大手よりもコストを抑えつつ、フリーランスよりは開発に安定感があるという、それぞれの間に位置するものとイメージしていただければと思います。

アプリ開発会社選びの重要なポイント

先ほども解説したように、アプリの開発会社にはそれぞれ得意ジャンル・不得意なジャンルがあります。そのため、こちらが開発したいアプリと得意なジャンルが一致するかといった確認を必ず行いましょう。

また、開発環境の確認も大切です。例えば開発と一緒にデザインも依頼した場合、依頼先のデザイナーが担当するのか、外部のデザイナーに外注するのかを確認し、外注する場合はそのデザイナーのクオリティを把握する必要があります。

さらに、リリース後の保守運用やOSアップデート、バグ修正などのサポート業務をどこまで受け持ってもらえるのかということもチェックしておくと安心です。こうした運用費や追加修正は、開発費とは別に提示されることが多いため、予算の思わぬ落とし穴になってしまうケースがあります。なかには、思わぬ追加業務を無料オプションで提供してくれる会社もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。ちなみに、アプリを維持するための平均コストは年間開発コストの約15~20%と言われています。なお、運用面の依頼もするのであれば、専任の担当が付いてくれるか否か、密なコミュニケーションが取れるか否かといった点についても、確認できると安心です。

その他、アプリ開発会社を選ぶ時のポイントとして、創業年数などをチェックする方法もあります。10年以上の実績があれば、スマホが普及しはじめた頃から開発を行っている試算になるため、判断材料の一つになるでしょう。また、そのアプリ開発会社が過去に開発したアプリを実際にインストールして使ってみるのも良いかもしれません。

アプリ開発会社を選定する際にはホームページや資料などへ目を通し、その開発会社についてよく知ったうえで大手・中小・個人関係なく複数の開発会社と比較しましょう。自社の要件に合った会社を複数社選び、見積もりを依頼すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、中小アプリ開発会社やベンチャー企業にアプリ開発を依頼するメリットやデメリット、費用の相場について解説しました。

ジャンル特化や独自のサービスなどチャレンジ精神旺盛な会社が多く、低コスト・高品質を目指していることが中小アプリ開発会社とベンチャー企業の特徴です。開発したいアプリと得意分野がマッチした信頼できる会社を選定できれば、大手のアプリ開発会社よりもコストを抑えつつ高品質なアプリを制作できる場合もあるでしょう。

費用やポイントを踏まえて見積もりをもらうなど、事前の確認をしっかり行いましょう。

委託先

Posted by syamamoto