【ネイティブ・ハイブリッド・Webアプリ】特徴や開発費用の違いを解説

2022年12月19日

ユーザーにサービスやコンテンツを届ける方法としてスマートフォンアプリ(以下アプリ)の活用が一般的になりました。大小問わずさまざまな企業がユーザー向け・社内向け問わずアプリを開発してリリースしています。そんなアプリを開発する際に気になることが開発費用ではないでしょうか。

アプリの種類は「ネイティブアプリ」「Webアプリ、「ハイブリッドアプリ」の3つの方法に大別されます。そして、各々メリット・デメリットがあり、開発したいアプリの種類や機能によって適したアプリの形態は異なるのです。

この記事では各アプリの特徴と開発費用の違いから、アプリをどの方法で開発すべきか、比較検討の方法まで、詳しくご紹介します。

アプリの種類ごとの特徴とは?

アプリは動作環境や開発環境によっていくつかの種類に分けられます。

ここでは広く利用されているアプリの種類3つについて、基本的な情報と特徴をご紹介します。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリはiOS/Andoroidなどの各アプリストアからインストールして利用するアプリです。開発言語はSwift(iOS向け)、Java(Android向け)、Kotlin(Android向け)などが挙げられます。

ネイティブアプリの特徴は端末標準搭載の機能を活用できる点にあります。例えば、プッシュ通知・GPS・カメラといった機能を活用して、利便性の高いサービスを提供するアプリの開発が可能です。

ネイティブアプリは動作が軽く安定している上に、アプリ内課金やプッシュ通知を活用したLTV(顧客生涯価値)向上の施策などを実施しやすいことが特徴です。

ネイティブアプリは端末の機能を最大限に発揮できるアプリを開発できますが、iOSとAndoroidで開発言語が異なることを理由に、両プラットフォームでリリースする場合は開発費用が増加する傾向にあります。

Webアプリ

WebアプリはGoogle ChromeなどのWebブラウザ上で動作するアプリです。WebアプリはSNSやECサイトなどを構築する際に利用されています。一般的なWebサイトのように、情報更新しやすいことが特徴です。開発言語には、HTML/CSS・JavaScript(フロントエンド)・Ruby・PHP(バックエンド)などがあります。

Webアプリはスマートフォン上でも表示ができますが、スマホアプリではありません。WebViewアプリ化をしてストアに掲載することは可能です。また、ノーコードで開発ができるツールを使う場合は、出来上がるアプリはWebアプリとなります。

Webアプリは端末性能やOSの制限を受けにくく、インターネットへの接続環境があれば利用できます。普及率はネイティブアプリに劣るものの、比較的開発費用を抑えることが可能です。

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリはネイティブアプリの安定性とWebアプリの低コストを兼ね備えたアプリです。中身の半分がWebアプリ、もう半分はネイティブアプリ(またはクロスプラットフォームアプリ)でできています。

ハイブリッドアプリはWebアプリと同じ言語で開発されますが、Webブラウザ上ではなくiOS/Android標準搭載のWebview上で動作する点に違いがあります。さらに、ネイティブアプリのように端末が搭載している各種機能・カメラ・GPS・プッシュ通知などを利用することが可能です。

また、ハイブリッドアプリはHTMLやCSSをベースに開発するため、iOS/Andoroidの両プラットフォームに合わせて別プログラムのアプリを開発する必要がありません。そのため、ハイブリッドアプリの開発費用はネイティブアプリと比較すると安価になる傾向にあります。

※「クロスプラットフォームアプリ」…複数のOSに対応した言語(Flutter、React Nativeなど)を利用して開発されたアプリ。一つのプログラムで複数OSに対応できる点がメリット。

各アプリの形態におけるメリット・デメリットを紹介

それぞれのアプリの形態は開発費用や機能でそれぞれにメリット・デメリットがあります。

ネイティブアプリのメリット・デメリット

ネイティブアプリはOSや端末に標準搭載された機能を活用できる点がメリットです。

得にプッシュ通知機能は、企業側からユーザーにアプローチできる手段として多くのアプリで利用されています。プッシュ通知を有効的に使えば新着情報をユーザーに届けることはもちろん、アプリの利用促進を促す効果があります。アプリの継続率を高めることはユーザーを優良顧客へと育成し、収益の向上が期待できるでしょう。

しかし、ネイティブアプリは開発と運用にかかる費用はWebアプリ・ハイブリッドアプリと比較すると高額になりがちです。アプリの種類と機能で異なりますが、数百万以上の開発予算が必要になります。さらに、ネイティブアプリは掲載できる情報が限られており、定期的に情報を更新するための運用費用も発生します。

Webアプリのメリット・デメリット

Webアプリは端末にアプリをインストールする必要がありません。プラットフォームごとに個別にアプリを開発することなく、一つのプログラムでPCからスマートフォンまで幅広い端末に対応できます。そのため、ネイティブアプリよりも安価にアプリを開発できるでしょう。

さらに情報を端末ではなくサーバで一元管理しているので、情報の更新性に優れ、運用にかかる費用も抑えることができます。

一方で、ネイティブアプリのように、OSや端末に搭載された機能を使用することができません。Webアプリはプッシュ通知が使用できず、開封率で難があるメール通知などでユーザーとコミュニケーションを取る必要があります。Webブラウザ上でもある程度は通知を出すこともできますが、OS標準搭載のプッシュ通知ほど機能性・利便性に優れてはいない点には注意が必要でしょう。

ハイブリッドアプリのメリット・デメリット

ハイブリッドアプリでアプリを開発する大きなメリットは、ネイティブアプリでiOS/Andoroidの両プラットフォーム対応する場合と比べて、開発費用を安価に抑えられる点です。

Webアプリと同じ開発言語で構築することが基本なため、一つのプログラムでさまざまなプラットフォームに対応します。さらにネイティブアプリは、プラットフォームのバグや不具合の影響を受けやすい一方、ハイブリッドアプリはその仕様のおかげでトラブルが起こりにくくなっており、不具合修正にかかる手間と費用を削減できます。

しかし、ハイブリッドアプリは複雑な動作や快適な操作性についてはネイティブアプリより劣るでしょう。また、ハイブリッドアプリ開発に使用できるサードパーティ製フレームワークに限りがあることもデメリットとしてあり、独自性の高いアプリ開発が困難な場合もあります。

また、ハイブリッドアプリはストア審査で厳しく審査されるケースが多く、ネイティブアプリと比較すると審査に手間と時間がかかりがちです。

アプリ開発にかかる費用の違いは?

ご紹介してきたアプリの種類ごとに、開発にかかる費用を比較してみると、費用が高い順に

ネイティブアプリ > ハイブリッドアプリ > Webアプリ

となります。

Webアプリはひとつのプログラムで幅広いプラットフォームに対応できる点や、HTM5・CSS・JavaScriptなど広く活用されている言語を用いるため、対応可能なエンジニア数やフレームワーク数が多いという特徴があり、これらが低コストでの開発を可能にしています。

一方で、先程もご紹介したように、使える機能に制限があるなどのデメリットも抱えているため、開発時は実現した内容に応じて、最適な選択をする必要があります。

ちなみに、各アプリの種類による相対的な費用の差をご紹介しましたが、具体的な費用の決定については、搭載する機能によっても大きく違いが出ます。多機能なアプリほど開発にかかる人件費と期間が必要になり、開発費用は高額になります。

例えば、簡易的なフィルター機能が使えるカメラアプリの場合は100~200万円ほど、3DゲームやARマップといったアプリは1,000万円以上の開発費用が目安とされています。また、同条件で開発を外注する場合、外注先の企業規模によっても開発費用は変動します。

どの種類のアプリを選べばよい?

ネイティブアプリ、Webアプリ、そしてハイブリッドアプリのどの種類で開発するかをあらかじめ決定するのではなく、アプリで提供するサービスや機能を定義した上で、最適なアプリの種類を決定しましょう。開発費用を理由にサービスや機能にマッチしないアプリの形態で開発してしまうと、ターゲット・コンセプトに見合わず売上や集客につながらないアプリになってしまいます。

端末の機能をフル活用する必要があるマップアプリやゲームアプリの場合はネイティブアプリ、Webサービスで蓄積した情報資産を活用する場合はハイブリッドアプリといった選択肢があります。開発するアプリの目的を明確に定義すれば、アプリに実装したい機能と開発費用のバランスが最適な形態のアプリを導き出すことが可能になります。

ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、最適なアプリ開発を目指しましょう。

アプリの種類

Posted by syamamoto